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調理も手軽で、食べ方のバリエーションも豊富なさつまいもは、口にする機会の多い食品ではないかと思います。

しかし芋類はエネルギーが高いイメージがあり、敬遠されがちです。特にさつまいもは甘みも強いので、ダイエットには不向きとされることもあります。

管理栄養士のチカさん

実際には、さつまいもにもうれしい健康効果がたくさん期待できます。さつまいもの健康効果を見直してみましょう。

さつまいもの種類

最近ではさつまいもも「安納芋」「ベニアズマ」「鳴門金時」など、品種がクローズアップされるようになってきました。

古くから食べられてきて、幾度となく飢饉を救ってくれたさつまいもですが、今やすっかり甘くておいしいさつまいもを追い求められる存在になったようです。

さつまいもがその他の芋と異なるところは、黄色い果肉の色がカロテンであるということです。体内でビタミンAとして働いてくれる成分を含んでいます。

果肉の色が紫色の「パープルスイートロード」などの紫芋も、見かけるようになりました。紫色の正体は、アントシアニンです。やはり健康効果の期待できる色素成分。果肉の色がしっかり強いさつまいもは、食欲をそそるだけではなく健康効果も持ち合わせているのですね。

 

さつまいもの栄養

なんといっても芋類に属しますので、成分の主体は炭水化物になります。

さつまいもに含まれる炭水化物のうち、主体となるのはエネルギーとなる糖質で、でんぷんが多く含まれています。

でんぷんはブドウ糖が無数に連なった構造をしているため、消化吸収がゆるやかで腹持ちが良いという利点があります。

また、このでんぷんのおかげで水溶性ビタミンであるビタミンCが流出しにくく守られて、比較的残存率高く摂取できるという効果もあります。

またエネルギーとなる糖質だけでなく食物繊維も含んでいるところが、さつまいもの優秀なところです。

食物繊維は私たち人間の消化酵素では消化されにくいため、エネルギーとはならず、大腸にまで届きます。

食物繊維はとくに皮に多いので、皮ごと食べられる調理法を工夫してみましょう。不溶性食物繊維はもちろん、水溶性食物繊維も含んでいます。

ミネラル類ではカリウムも多く含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウムを体外に排泄してくれる栄養素として、主に野菜や果物からの摂取が期待される栄養素の一つです。

エネルギー 140キロカロリー
炭水化物 33.1グラム
水溶性食物繊維 0.9グラム
不溶性食物繊維 1.8グラム
カリウム 380ミリグラム
ビタミンC 25ミリグラム

※値はすべて さつまいも 塊根 皮つき 生100グラム中。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

さつまいもの健康効果

さつまいもには、水溶性・不溶性両方の食物繊維が含まれています。

食物繊維はエネルギーとならないため、栄養素としての価値が見落とされてきましたが、生活習慣病が問題となっている現代においては「排泄」の効果で見直されている栄養素です。

不溶性食物繊維は水に溶けず便のボリュームを出し、腸を刺激してくれます。

腸は蠕動運動を行っており、これにより便が排泄されますが、便にかさがあると腸管を刺激するので蠕動運動が活発になるのです。

水溶性食物繊維は水分を吸収して膨潤します。これが摂取した食品の胃での滞留時間を長くさせ、小腸での糖の吸収を緩やかにします。

膨張した水溶性食物繊維はコレステロールの吸収もさまたげ、体外に排泄しやすくします。

食物繊維が豊富なことから整腸作用のイメージが強いさつまいもですが、さつまいもの整腸作用は食物繊維によるものばかりではないのです。

さつまいものを切った時に出てくる白い乳液状の液体がありますが、これを「ヤラピン」といいます。

ヤラピンにも便をゆるくして便秘の予防や解消に働く効果があって、大腸がんの予防などが期待されているのです。

さつまいもにはフィトケミカルの一種である、クロロゲン酸も含まれています。抗酸化作用からがん予防が期待できるほか、血糖値の安定化を促してくれる効果も期待されています。

さつまいもは炭水化物が多くダイエットに不向きと思われがちですが、ビタミンCや食物繊維が豊富で、抗酸化作用を持つ成分を含み余分なものを体外に排泄してくれる、美容には適した食品であることがわかります。

 

さつまいもの選び方

皮の色がきれいで、なめらかなものを選びようにしましょう。調理中に切ってヤラピンがあふれ出してくるようなものは良品です。

一方、ひげ根がついているようなものは筋が多く食感がなめらかでないものである場合があります。

 

さつまいもの調理

さつまいもに含まれるフィトケミカルのクロロゲン酸は熱に弱く水溶性なので、さつまいもを切って水にさらしてしまうと流れ出てしまいます。切ってすぐ調理するようにしましょう。

クロロゲン酸は切り口を黒ずませてしまう働きもあるので、切ったまましばらく置いていると黒ずんできてしまいます。

さつまいもならではの甘みを楽しみたいのであれば、じっくりと加熱するのがおいしい食べ方です。

さつまいもにはでんぷんが多く含まれていますが、でんぷんのままでは私たちの味覚で甘さを感じることができません。

でんぷんが分解されて、ブドウ糖や麦芽糖、デキストリンといった短い鎖になっていくと甘みを楽しめるようになります。

急激な加熱をすると、さつまいものでんぷんを短い鎖に分解してくれる酵素が働く前に失活してしまうので、甘さがひきだされないのです。

遠赤外線でじっくり熱を通した石焼き芋がおいしいのは、このような理由からです。

 

さつまいも・まとめ

管理栄養士のチカさん

「芋・栗・かぼちゃ」などと言われるように、さつまいもは秋の味覚の代表選手のような存在ですが、保存技術が進んだことで収穫期の秋だけでなく1年を通して味わえるようになってきました。

以前の救荒作物のイメージから一転、甘みや味わいが追求され、それだけでスイーツを食べているようなものも出てきました。

炭水化物が多いとは言っても、甘味料を加えずに本来の甘さを味わうのであれば、エネルギーの心配はさほどいりませんし、ねっとりとした食感で満腹感も得やすく、上手に利用すればダイエットにも活用できます。

整腸作用の恩恵を受けながら、味そのものもお楽しみください。

 

 

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