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管理栄養士のチカさん
管理栄養士のチカさん

以前は沖縄料理で見かける程度だったゴーヤですが、最近ではすっかり夏野菜として浸透してきました。暑い夏を乗り切る「緑のカーテン」として、ご自宅で栽培されている方も多いのではないでしょうか。
漢方や薬膳の世界では、伝統的に身体を冷やす食品として、夏の暑さを乗り切る知恵として食べられてきた野菜です。いろいろと私たちにうれしい効果をもたらしてくれる野菜ですので、細かく見ていきましょう。

【ゴーヤとは】
東インドや熱帯アジアを原産とする野菜で、沖縄で「ゴーヤー」と呼ばれていたことから広く「ゴーヤ」の名称が定着しましたが、ニガウリのことです。日本では沖縄や九州南部の温暖な地域でよく収穫されます。
私たちが日頃食べているのはゴーヤが未熟な果実の状態で、そのまま収穫せずにいると次第に黄色くなってきて、中の種は赤く甘くなってはじけます。日頃のゴツゴツとした緑色の外見からは想像もできない姿ですね。ご自宅で栽培している方は、めったにできないゴーヤの楽しみ方ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
最近では皮の色が白い種類も出回っています。緑色のものに比べると苦味が少なく、ゴーヤが苦手な方にも食べやすい品種です。

【ゴーヤの栄養】
ゴーヤはビタミンCが豊富な野菜です。可食部100グラムあたりビタミンCを76ミリグラムも含んでいます。ビタミンCは抗酸化作用を持つビタミンで、水溶性ですから水に溶けて損失しやすいので、コンスタントに摂取したいビタミンです。またストレスの多い環境ではビタミンCが消耗されやすいことや、夏場日焼けしやすい肌の修復にもビタミンCが効果的ですので、暑い日差しで体力を消耗しやすい夏場には最適な野菜と言えます。
このほか、余分なナトリウムの排泄を促してくれるカリウムや、ビタミンCと同様に抗酸化作用があることで知られているビタミンEも含まれています。
最大の特徴である苦味は、「モモルディシン」というフラボノイドの一種によるものです。

【モモルディシンの健康効果】
ゴーヤの苦味成分であるモモルディシンは、機能性成分の一つです。食欲を高め、夏バテを防いでくれるので、暑い気候の沖縄で古くから食べられてきたのも納得できます。モモルディシンの効果はこのほかにも、胃の壁を刺激して消化を助けてくれたり、抗酸化作用によって発がん抑制効果が期待できたりと多岐にわたります。動脈の硬化や老化を有効に防ぐ働きにも注目をされているので、血中コレステロール値を気にする方にはうれしい成分です。これが効果的に摂取できるのが、ゴーヤなのです。
さまざまな生活習慣病の蓄積は、血管をもろくし、ひいては脳血管疾患や虚血性心疾患といった命にかかわる事態を招きます。モモルディシンはインスリンへの感受性を高めることから糖尿病予防に有効とされていたり、血圧を低下させ血管の炎症反応を抑えてくれたりと血管を保護する効果に優れた成分です。

【ゴーヤの選び方】
いぼがしっかりとしてはがれておらず、皮に弾力のあるものを選びましょう。緑色の種類を選ぶ場合には、皮の色は濃いものの方がゴーヤの苦味をしっかりと感じる味わいになっているとされています。かたく、ずっしりと重いものが良いでしょう。

【ゴーヤの食べ方】
ゴーヤのもっともメジャーな食べ方といえば「ゴーヤチャンプルー」でしょう。ゴーヤのワタと種を取り除いて、果肉を薄切りにしたものを炒め物にします。このとき豆腐を合わせることも多いのではないでしょうか。実はこの組み合わせ、豆腐にはコレステロール調整作用がありますし、そこにゴーヤの持つ血管保護作用が加わって、動脈硬化予防にはうれしい組み合わせなのです。
苦味を楽しむ野菜と言っても過言ではありませんが、苦味が苦手な場合には塩もみをしてさっと湯に通すと食べやすくなります。加熱はさっと済ませ、歯ごたえを残すようにすると良いでしょう。煮物やスープ、お浸し、和え物、漬物などさまざまな楽しみ方のできる野菜です。

【最後に】
ゴーヤに含まれている、モモルディシンやビタミンCはいずれも水溶性の成分です。上手に取り入れるには、水に長くさらさないとか、汁物の場合には成分が溶出した汁ごと食べるようにして、あますことなく取り入れましょう。
炒め物は短時間でさっと熱を通すので、水溶性の成分の損失も少ない食べ方です。昔から沖縄で親しまれてきたゴーヤチャンプルーは、食べ方も理にかなっていることがわかります。単独では苦味が強いため他の食材と合わせることが多いのも魅力の一つです。ゴーヤの食欲増進効果でしっかり食べて、暑い夏を乗り切りましょう。