no

なすを使ったことわざってありますよね。「一富士二鷹三茄子」や「秋茄子は嫁に食わすな」など。

それだけ昔から人々になじみのある野菜だったということでしょうか。日本には奈良時代に中国から伝わったとされています。

管理栄養士のチカさん

実もの野菜ですので旬は夏、それから「秋茄子は…」のことわざにもある通り、秋にも旬があるわけですが、今では通年入手できる使い勝手の良い野菜の一つです。

なすの種類

なすは形・大きさ・色と、各地で特徴のあるものが食べられてきたので、思いの外種類が豊富です。

現在一般的によく食べられるなすは「中長なす」で、関東ではやや短めのもの、関西ではやや長めのものが収穫されています。

中長なすの種類のなかで水がしたたるほど水分豊富な「水なす」は、高級品種で知られています。

「大長なす」「長なす」と、長いものもあって、大長なすだと40~45センチメートルにもなります。九州の特産です。

長なすでも25センチメートルほどあって、こちらは東北と関西以西でよく作られています。

小さい方では「小なす」があって、丸形や卵型など地方品種でさらに種類がみられます。

ころんとしたかわいい風貌で、種が少なく皮がやわらかいので、皮ごと漬物にされる利用も多くみられます。

「米なす」はアメリカのなすを品種改良したもので、大きいのが特徴。田楽などで大きさを活かした調理をして楽しまれています。

皮の色は多くの品種で紫色ですが、白いものや赤紫色の地に白い縞模様が入ったものなどもあります。

 

なすの栄養

なすは水分の多い野菜で、漢方の世界では「身体を冷やす」役割が知られていて、暑い季節にぴったり。

皮の色素はナスニンというポリフェノールです。また切ると黒くなるのはクロロゲン酸を含んでいるからという、同じくポリフェノール摂取の期待できる野菜です。

栄養素ではカリウム、葉酸、ビタミンK、食物繊維などが摂取できます。

エネルギー 22キロカロリー
水溶性食物繊維 0.3グラム
不溶性食物繊維 1.9グラム
カリウム 220ミリグラム
β-カロテン 100マイクログラム
ビタミンK 10マイクログラム
ビタミンB1 0.05ミリグラム
ビタミンB2 0.05ミリグラム
葉酸 32マイクログラム

※すべて なす 果実 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

なすの健康効果

ナスニンはアントシアニン系の色素で、抗酸化作用があります。高い発がん抑制効果で、ナスの健康効果の評価を高めてくれています。

皮の色素で、油脂類と一緒に摂取するのが効率的。水溶性であるため、水にさらし過ぎない方が摂取に適しています。

アクの成分であるクロロゲン酸もポリフェノールの一種で、抗酸化作用により発がん抑制効果が期待できる成分です。

活性酸素による過酸化脂質の生成を抑えてくれる働きで、多くの生活習慣病予防や改善に効果を発揮します。

水分が多く、カリウムも含む夏野菜であるなす。

「秋茄子は嫁に食わせるな」とは、おいしいから食べさすなというイジワルな意味ではなく、血行促進や利尿作用によって流産を心配したのではないか、という解釈もあるそうです。

 

なすの選び方

皮に光沢があってよく張っているものが良いでしょう。表皮の色はムラのないものを選びます。

ガクの下に白い部分が見えるのはよく日にあたって育った証拠です。

ヘタも鮮度を見るには適した部分です。トゲがとがっていたり、切り口が新しかったりすると鮮度が良いと見分けられます。

なすの原産地は暑い地方ですので、低温保存が苦手。冷蔵庫に入れておくと低温障害をおこします。常温保存が良いでしょう。

また乾燥には気をつけて保存しましょう。

 

なすの食べ方

なすを切って水にさらすと変色を防ぐことができますが、ナスニンやクロロゲン酸が流出してしまうので、その後の調理で色合いをさほど気にしない場合には、この処理はごく短時間で済ます程度で良いでしょう。

油の吸収率が高く、相性が良いとされます。揚げ物や炒め物にも活躍しますが、エネルギー量には注意が必要です。

漬物や田楽、蒸しなすといった楽しみ方もできますので、油調理以外にも活用してみてください。

 

なす・まとめ

管理栄養士のチカさん

なすは油や味付けが染みていると、お肉にも匹敵するほどの食べ応えをもたらしてくれる食材です。

和洋中いずれの料理でも大活躍で、あわせる食材や調理法を選びません。

水分が多いので火を通すとボリュームが抑えられ、しっかりと重量を摂取することもできます。

カリウムや食物繊維の摂取ばかりでなく、機能性成分の摂取にも役立ちますので、活用していきましょう。