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春を感じさせてくれる食べ物の一つに、ふきのとうがあります。

旬が大切にされる日本食文化とはいえ、野菜や果物はハウス栽培や輸入品によって、多くのものが周年入手できるようになりました。

そのような状況でも、ふきのとうは旬が大切にされている野菜ではないかと思います。

管理栄養士のチカさん

ふきのとうには春の野菜ならではの特徴もあります。健康効果についても見ていきましょう。

ふきのとうとは

ふきのとうは、いわゆる「山菜」の一つ。ふきのつぼみに当たるもので、花が咲いた後に地下の茎から葉が伸びてくると、私たちはこれを、ふきとして食べています。

つぼみということもあり、春で植物が芽吹く季節にふきのとうは食べごろを迎えます。

そして春の野菜ならではの、独特なえぐみや苦みを持っています。

昔から、植物の旬は人間の身体のリズムとあっていると言われてきました。

たとえば夏野菜は水分をたっぷり含んだものが多く、身体がほてる季節にクールダウンしてくれるようなものが旬を迎えます。

秋から冬にかけて旬を迎える根菜類には身体を温めてくれるようなものが多いとされています。

旬の植物とは一番収穫が盛んな時期を指し、この時期には栄養価も高くなるものも多いので、おいしいうえにたくさん取れるため価格も下がりやすく、さらには栄養価も高いと重宝されてきました。

さて春に旬を迎える野菜には、ふきのとうのようにえぐみや苦み、いわゆる「あく」とされる部分を持つものが多くあります。

「あく」は取り除くものですが、完全に取り除いてはおいしさも半減してしまいます。このえぐみや苦みを楽しむのが良いでしょう。

冬の間、私たちの身体は代謝が滞りがちで「溜め込み体質」になっています。

春を迎えて身体が活動的になる時期には、苦みやえぐみを持った植物の「デトックス効果」で滞りを解消して、新しい季節に活動を始めていくのです。

 

ふきのとうの栄養

風味を楽しむ野菜ではありますが、栄養素もきちんと含んでいます。

ふきに比べて、β-カロテンやカリウムが多く、ビタミンB群やビタミンE、カルシウムなども含んでいます。

独特な苦みは、フラボノイドの一種であるケンフェロールによるものです。またアルカロイド系の物質も含まれていることも苦みに関係しています。

エネルギー 43キロカロリー
水溶性食物繊維 1.0グラム
不溶性食物繊維 5.4グラム
カリウム 740ミリグラム
カルシウム 61ミリグラム
1.3ミリグラム
β-カロテン 390マイクログラム
α-トコフェロール(ビタミンE) 3.2ミリグラム
ビタミンB1 0.10ミリグラム
ビタミンB2 0.17ミリグラム
ビタミンB6 0.18ミリグラム
葉酸 160マイクログラム
ビタミンC 14ミリグラム

※すべて ふきのとう 花序 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

ふきのとうの健康効果

ふきのとうはえぐみや苦みを持っていますから、一度にたくさんの量を食べるものではありませんよね。

わずかな量でも食卓に並ぶだけで春らしさを感じられるような食べ物だと思います。

あくまでも主役ではなく添えられて出てくるものだとしたら、エネルギーを持つような栄養素を代謝していくうえで必要となる、ビタミン類を多く含んでる点は、良い組み合わせとなる食材であると言えるでしょう。

また特徴は何といっても苦みですよね。

苦み成分の一つである、ケンフェロールはフラボノイドの一種。ケンペロールと呼ばれることもあります。

心臓疾患との関連が研究されることの多い成分で、予防に働くのではないかと期待されています。

また免疫力をアップするとも考えられており、風邪の予防などに役立ちます。

春は温かくなるとは言え、気温が安定せず、体調を崩しやすい時期でもありますよね。そのような面でも理にかなった食材だと言えるでしょう。

また苦みではアルカロイドも含んでいるとされています。

アルカロイドには新陳代謝を活発にする働きがあるとされており、消化を促進してくれたり、それによって食欲増進につながったりします。がん細胞の促進を抑制する作用などが研究されている物質でもあります。

冬の寒い季節には何かと滞りがちな身体を、苦み成分のアルカロイドで代謝を促し、すっきりと春を迎える準備をしましょう。

 

ふきのとうの選び方

葉が開いていない、つぼみ状態のものを選びます。その状態で5センチメートル程度に伸びているくらいが、ちょうど良い大きさでしょう。

形に丸みがあって、外皮にツヤやハリがあるかも確認します。

えぐみや苦みを楽しむとはいえ、あくまでも「ほのかな」状態がおいしさです。

つぼみが開いてくると、えぐみも強くなるので、固くしまって開ききっていないようなものを選ぶようにしましょう。

緑色が鮮やかなものは、β-カロテンもしっかり含まれていますし、味も良いでしょう。

乾燥に弱いので、保存時には乾燥に配慮しましょう。

水で湿らせたキッチンペーパーに包んだり、ポリ袋に入れたりして、冷蔵庫の野菜室で保存します。

あまり日持ちが良くありませんので、数日中に、早めに食べるようにしましょう。

長期保存したい場合には、下ゆでをしてあくを抜き、冷凍保存します。ただし香りは少し飛んでしまいます。

 

ふきのとうの食べ方

ふきのとうの定番の食べ方と言ったら、やはり天ぷらでしょう。油を使った調理では苦みが和らぎます。

また、β-カロテンやビタミンEといった脂溶性ビタミンも多く含んでいるので、油と調理すると吸収率が高まります。

天ぷらにする場合には、低めの温度でじっくり揚げていくと良いでしょう。少しずつつぼみが開くことで、苦みが和らいでいきます。

ふきのとう味噌にして食べるのも、通の楽しみ方ですね。

ふきのとうをゆでてみじん切りにし、甘味噌と合わせます。

ごはんと食べるもの良いですし、薬味のようにして冷奴につけたり、野菜にディップして食べたりする楽しみ方ができます。

 

ふきのとう・まとめ

管理栄養士のチカさん

日頃よく口にする、花蕾を食べている植物といえば、カリフラワーやブロッコリーがありますね。

これらはあまり味わいにクセがなく、食べやすいので忘れてしまいがちですが、植物にとってこれから花を咲かせようとしているつぼみの状態は、パワーを蓄えている状態です。

そのとっておきの状態を春の味覚として味わうのが、ふきのとう。

そんなに頻繁に食べられるものではありませんが、春ならではの楽しみとして、少しつまんでおきたいですね。

 

 

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