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食品成分表改訂のおり、「ひじきの鉄分はそんなに高くなかった」などとガッカリされてしまった、ひじき。

たしかに時代の移り変わりとともに鉄釜で調理されなくなったひじきの鉄分は実は少なかったと分かったわけですが、ひじきが栄養豊富な食材であることには変わりないのです。

管理栄養士のチカさん

鉄分だけではない、ひじきの魅力。きちんとご紹介しておきたいと思います。

ひじきの種類

ひじきには「芽ひじき」と「長ひじき」があります。

芽ひじきは海藻の葉の部分を食べるものです。食感がやわらかいのが特徴ですが、うま味はいまひとつ。

長ひじきは、茎ひじきとも言われて、茎の部分を食べるものをいいます。歯ごたえがある部分で、海藻らしい味わいが楽しめるのは、長ひじきの方です。

この他に、冬に若いひじきを加工した「寒ひじき」というものが出回ることもあります。

ひじきは多くが春に刈り取られて浜辺でゆでてから干したものが出荷されています。生では食べることができないものなのです。

このゆでる作業の時に鉄釜を使うか、ステンレス釜を使うかで鉄分含有量が違ってくると話題になりました。

今はステンレス釜が使われることの方が多いようです。

 

ひじきの栄養

ひじきはミネラル類が豊富ですので、その点で「栄養価が高い」と評されることの多い食材です。

カルシウム、鉄といった不足しがちなミネラル類に加え、骨の健康に欠かせないマグネシウムや、体内の余分なナトリウムの排泄をしてくれるカリウムも含みます。

ビタミン類でもβ-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2などを含んでいます。

エネルギー過多の心配なく、日頃不足しがちな栄養素を摂取するには適した食材だと言えるでしょう。

ほしひじき
スレンレス釜 乾
ほしひじき
鉄釜 乾
エネルギー 15キロカロリー 15キロカロリー
食物繊維 総量 5.2グラム 5.2グラム
カリウム 640ミリグラム 640ミリグラム
カルシウム 100ミリグラム 100ミリグラム
マグネシウム 64ミリグラム 64ミリグラム
0.6ミリグラム 5.8ミリグラム
亜鉛 0.1ミリグラム 0.1ミリグラム
0.01ミリグラム 0.01ミリグラム
ヨウ素 4500マイクログラム 4500マイクログラム
β-カロテン 440マイクログラム 440マイクログラム
α-トコフェロール(ビタミンE) 0.5ミリグラム 0.5ミリグラム
ビタミンK 58マイクログラム 58マイクログラム
ビタミンB1 0.01ミリグラム 0.01ミリグラム
ビタミンB2 0.04ミリグラム 0.04ミリグラム
葉酸 9マイクログラム 9マイクログラム

※すべて10グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

ひじきの健康効果

「コレステロール値の改善には食物繊維を摂りましょう」とは、よく言われること。

海藻類はその代表格ですので、ひじきの食物繊維量にも注目です。食物繊維はコレステロールに対して、余分なコレステロールを吸着することで、血中コレステロール値の低減に働きかけます。

なおかつ、血中コレステロールの増加を抑制する働きもあります。

さらに、コレステロールを材料とする胆汁酸を体外に排泄する働きもあるため、コレステロールの代謝が促され、総合的に動脈硬化の予防に効果を発揮するのです。

食物繊維の効果は、動脈硬化にだけ発揮されるわけではありません。

食物繊維は私たちの消化酵素では分解できないため、消化工程のスピードを緩やかにします。

食べ物を摂取しても体内でゆっくりと移動していくことで、血糖値の急上昇が起こりにくくなり、糖尿病の予防にもなると考えられます。

ひじきに豊富に含まれるミネラル類は、うれしい効果が期待できるものばかり。

例えばカルシウムやマグネシウムの不足は骨粗鬆症につながりますし、鉄や銅の不足は貧血を引き起こします。

カルシウムというと骨のイメージが強くありますが、骨の健康維持だけでなく、神経や筋肉にも存在していて、バランスを保つ働きをしています。

イライラしている人に「カルシウム、足りてる?」と聞くように、カルシウムをきちんと摂ることは精神の安定にもつながります。

また筋肉の収縮がスムーズになることで、血流が改善され肩こりなどの症状も軽減されるでしょう。

これらを含むひじきは、日頃のコンディション調整にはうってつけなのです。

海藻の一種であるため、ヨウ素を含んでいる点も特徴と言えるでしょう。ヨウ素は私たちの身体の中で、甲状腺ホルモンの成分として働きます。

甲状腺ホルモンは発育を促進し、エネルギー産生を高めるホルモンで、ホルモンバランスを崩すと全身の代謝がうまくいかなくなってしまうのです。

基礎代謝が高いということは燃焼が良くなるということですから、もちろん余分な体脂肪も燃焼してくれ、肥満が抑制されるというわけです。

ただしミネラル類にはヨウ素に限らず過剰摂取の害もあります。ただたくさん摂取すればよいとは言えませんが、不足でも過剰摂取でも甲状腺ホルモンの生成に不具合を生じることを知っておくと良いでしょう。

 

ひじきの選び方

黒くてよく乾燥しているものが良品です。

韓国産・中国産のものが多く、国産品の出回りは1~2割程度。国産品はすべて天然ものとのこと。

天然のものは海水に浸かったり日光に当たったりしながら色よく成長していくとされています。

当然生育している海水環境の影響を受けます。国産品が珍重されるのはこのあたりの理由からではないでしょうか。

栄養面では国産品と輸入品では大差ありません。

ちなみに芽ひじきと長ひじきが取れる割合は、長ひじきが20%程度です。

 

ひじきの食べ方

乾物ですので戻して使用します。たっぷりの水に15~20分浸して戻します。

戻すと重量はおよそ8~9倍になりますので、戻す前の重量に注意しましょう。

脂溶性ビタミンのβ-カロテン、ビタミンE、ビタミンKの摂取を考えると油調理との相性が良いでしょう。煮物だけでなく炒め物や揚げ物にも使えます。

カルシウム、マグネシウム、ビタミンKと、骨の健康に役立つ栄養素が豊富ですので、同じく骨の栄養に欠かすことのできないビタミンDを含んだ食材と合わせると食べ合わせの相性も良くなります。きのこなどと組み合わせてみましょう。

 

ひじき・まとめ

管理栄養士のチカさん

ひじきに思ったより鉄分が含まれていなくてガッカリしたのは、鉄分が不足しがちな栄養素だからでしょう。

しかしひじきにはその他にも摂取したい栄養素がきちんと含まれていました。ひじきが健康食であることに相違はないのです。

乾物は常備できますので、一度に大量に食べるのではなく、日頃のミネラル不足を補うようにサラダや副菜の材料の一つとして、少しずつプラスするのが上手な使い方です。

 

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