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酸味はときに食欲を促し、食中毒の予防にも応用されてきました。

また古くから健康にも良いとされてきましたから、酢に対して「摂取した方が良い」と思っている方も多いのではないでしょうか。

でも、酸味がきつすぎると苦手と感じる方も多いようです。

酢は身体に良いとされてきたとはいえ、「酢で身体がやわらかくなる」のようにまことしやかに言われてきた、ただの迷信も混ざっていて、実際のところ何が身体に良いのか、どのように身体に良いのか、知られていないように思われます。

管理栄養士のチカさん

酢は奥の深い調味料です。その魅力に合わせて、「酸味が苦手」と敬遠しがちな方にとっても取り入れやすい方法もご紹介したいと思います。

酢の種類

ご存じない方も多いのですが、酢は発酵食品の一つです。

でんぷんや糖をアルコール発酵させて、さらに酢酸発酵させて製造します。酸味の主体は酢酸で、酸性を示す食品です。

酢は大きく分けると醸造酢と合成酢に分けられますが、合成酢は工業用などに使われるものですので、私たちが一般的に入手している酢は醸造酢になります。

醸造酢とは、「米、麦、コーン等の穀類、果実、野菜、さとうきび、はちみつ、アルコール等を原料として、これを酢酸発酵させて製造したもの」で、原料の種類は思いのほか多いのです。

穀物を原料とし、1リットル中に穀物が40グラム以上使われていると「穀物酢」となります。

その中で米を40グラム以上使用しているものが米酢、180グラム以上米を使っていて発酵や熟成によって着色したものを米黒酢と言います。

果実酢の場合は、1リットル中に果実の搾汁を300グラム以上使用するものという決まりがあり、リンゴ酢、ブドウ酢などがあります。ワインビネガーなども果実酢の一つです。

 

酢の栄養

酢は調味料として使われるもので、なおかつ酸性であるため大量に摂取するものではありませんね。したがって栄養素の補給という観点からは、さほど期待できるものではないと言えるでしょう。

エネルギーは10グラムの使用で3~6キロカロリー程度と、気にする必要のない数値となります。ミネラル類やビタミンB群をわずかに含んでいます。

酢の栄養面では酢酸が摂取できる点が大きいでしょう。

酢はそれ自体からの栄養素摂取はそれほど期待できなくても、ほかの食材に含まれているカルシウムや鉄の溶出を促し、吸収を高めてくれる働きがありますので、工夫次第で栄養摂取強化につながります。

 

酢の健康効果

酢の健康効果で古くから知られているのは、疲労回復効果でしょう。エネルギー代謝のサイクルをスムーズにしてくれることで、疲労回復に働きかけるものと考えられています。

また酸味によって胃腸の動きが刺激され、活発になります。食欲増進は特に暑い時期などで身体がバテ気味の時にはうれしい効果ですよね。

酢の使用によって酸性に傾きますから、酸性環境に強い乳酸菌や酢酸菌のような善玉菌を除き、多くの微生物菌に対して増殖しにくくすることも期待できます。

古くから酢によって食品保存は行われてきましたが、これは迷信ではなくきちんと理にかなったやり方です。

酢を使った食品で、特定保健用食品や機能性表示食品を多く見かけるようになりました。

酢には内臓脂肪の減少を助ける働きが期待できます。

実際に酢を取り続けた群での内臓脂肪減少が確認され、メタボリックシンドローム予防になると期待できます。

メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積を前提に、血圧・血糖値・血中脂質バランスの崩れがいくつか重なっている状態です。

内臓脂肪以外の項目についても、酢との関連を見ていきましょう。

血圧については、酢を使うことで減塩に役立ちます。酢をきかせると、塩分濃度を下げても塩味をしっかり感じることができます。

酢の主成分である酢酸にも血圧低下作用があることから、高血圧の予防改善が期待されます。

血糖値については、酢酸によって糖質の吸収が妨げられるため、血糖値の上昇がゆるやかになることが期待できます。

血中脂質については、酢酸にコレステロール合成を抑える働きがあるため、血中脂質を低下に導きます。

このようにメタボリックシンドローム全般に対して、酢は効率的に働きかけてくれるのです。

 

酢の選び方

酢には種類が多いので、特徴をつかめば酸味が苦手な方でも酢を取り入れることは容易です。

価格が手ごろで、オールマイティに使えるのが穀物酢。クセもあまりありません。

酢を使って肉を煮込むとやわらかく仕上がるので、手頃な穀物酢を使ってみると良いのではないでしょうか。

加熱すると酸が飛んで、食欲を促す適度な酸味が残ります。

酸味がしっかりしているのが米酢。酸味が強すぎると苦手とおっしゃる方にはオススメできませんがアミノ酸の種類が多いのでうま味には富んでいます。

とくに純米酢は米だけで作ったもので、やはりお寿司を作るときにはぜひ使いたいところ。

さわやかな酸味で使いやすいのは、果実酢。ビネガードリンクにされるほどですので、酸味が苦手な方にオススメです。

ドレッシングやマリネ液にもよく合います。

 

酢の食べ方

高濃度の酢を直接口にすることを避ければ、これといって難しい使い方を考える必要はありません。

ドレッシングやマリネ、ビネガードリンク、酢の物など生の素材を活かしながら酢の風味を楽しむ料理もたくさんありますね。

加熱では少し筋の多い肉も酢で煮込めばやわらかくなります。とくにオススメしたいのが、貝類を酢で加熱調理すること。

貝に含まれているミネラル分が酢によって溶出しますので、ぜひ殻ごと調理してください。カルシウムや鉄といった、意識して補給したいミネラル類の摂取に役立ちます。

 

酢・まとめ

管理栄養士のチカさん

古くから身体に良いと言われてきた酢ですが、昔と今では酢に期待することが少し変わってきたかもしれませんね。

食品の保存技術や設備がままならなかった昔には酢がpHを下げてくれる作用はずいぶんと助かったことでしょう。

しかし今酢にもっとも期待されることは、メタボリックシンドローム対策ではないでしょうか。食べることがままならなかった昔からは想像もできません。

時代が流れてニーズが変わっても、変わらず実力を発揮し続けているとは。酢の存在感を思い知ることができます。

 

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