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「発酵食品は身体に良い」ということはよく耳にする言葉ではないでしょうか。代表食品として挙げられることも多い納豆。

管理栄養士のチカさん

好き嫌いの好みが分かれやすい点が難点ではありますが、身体にとって良い働きをしてくれるという評判に偽りはありません。

納豆の種類

納豆はネバネバしているものと思っておられるかもしれませんが、納豆にも種類があり、すべてが糸を引くタイプかと言うと、実は違います。

ネバネバと糸を引くタイプの納豆は蒸した大豆に納豆菌を作用させて粘質発酵させて作ります。

丸大豆で作ったり、砕いた大豆で作ったりすることで、「糸引き納豆」とか「ひきわり納豆」とか名称が変わりますが、これらはいずれもネバネバとしているタイプ。

納豆の中には、煮た大豆に麹を作用させて作るタイプもあります。こちらも発酵食品ではありますが、納豆菌が作用していないので、糸を引きません。

「寺納豆」とか「浜納豆」という名で出回っています。

いずれも発酵食品ですし、原料はたんぱく質豊富な大豆ですから、優れた食品であると言えるものです。

しかし今回は特に納豆菌を作用させて得ることができる納豆独特の作用についてクローズアップしていきたいと思います。

 

納豆の栄養

大豆の発酵食品であるため、大豆が持っているたんぱく質、ビタミン類、さらにイソフラボン、レシチンといった機能性成分を含んでいます。

加えて、発酵過程で得られるさまざまな酵素が豊富に含まれていると考えられます。中でも納豆独自の「ナットウキナーゼ」という酵素を含んでいます。

エネルギー 200キロカロリー
たんぱく質 16.5グラム
水溶性食物繊維 2.3グラム
不溶性食物繊維 4.4グラム
カリウム 660ミリグラム
カルシウム 90ミリグラム
マグネシウム 100ミリグラム
3.3ミリグラム
亜鉛 1.9ミリグラム
0.61ミリグラム
α-トコフェロール(ビタミンE) 0.5ミリグラム
ビタミンK 600マイクログラム
ビタミンB1 0.07ミリグラム
ビタミンB2 0.56ミリグラム
ビタミンB6 0.24ミリグラム
葉酸 120マイクログラム

※すべて 糸引き納豆 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

納豆の健康効果

納豆は発酵させることによって大豆の栄養を上回るものが出てきます。たとえばビタミンKが挙げられます。

納豆はビタミンKを豊富に含む食品の筆頭と言っても良いでしょう。骨の健康に欠かせない脂溶性ビタミンの一つです。

ビタミンKは血液凝固因子に関わっていて、私たちが出血をしたときに時間が経てば止血できるのは、血液凝固因子のおかげです。

一方、血液の粘度が高くなり血栓などができやすいような状態にある方は、お医者さんから血液が固まらないようにする薬を処方されます。

この薬を飲んでいる人は、納豆を食べる時にはお医者さんや薬剤師さんと相談をする必要があるのです。納豆にいかにビタミンKが豊富であるかを、改めて知ることができるエピソードではないでしょうか。

ビタミンKの働きに加えてカルシウムも豊富に含まれますので、骨の健康維持にはうれしい栄養素がしっかりと含まれています。

ビタミンKに限らず、ビタミンB群の豊富さにも目を見張ります。たんぱく質の供給源となる存在でありながら、体内代謝に欠かせないビタミン類を併せ持っており、非常に栄養価の高い食品なのです。

大豆がもともと持っているイソフラボンは、体内で女性ホルモンのように働いてくれることで知られているポリフェノールの一種です。

特に更年期が近く、ホルモンバランスが崩れやすい時期の女性に、これまで女性ホルモンのエストロゲンが果たしてくれていた骨粗鬆症予防などの効果を、エストロゲンに代わって担ってくれる効果が期待されています。

レシチンは大豆や卵黄に含まれているリン脂質で、コレステロールの血管壁沈着を防止する働きを持つ成分です。

血中コレステロール値を調整することで動脈硬化を予防してくれます。

さらに納豆に含まれる、特有の酵素である「ナットウキナーゼ」。納豆菌によって作られる酵素なので、納豆菌を作用させる糸引き納豆にしか含まれません。

ナットウキナーゼには血栓の主成分であるフィブリンというたんぱく質に直接作用して、血液を固まりにくくする効果があります。

さらにすでにできてしまった血栓に対しても、溶かす働きがあります。

 

納豆の選び方

糸引き納豆の中でも、丸大豆を使用したものと砕いた大豆で作ったものとがありますので、お好みで選んでも良いでしょう。

ただし、大豆にはさまざまな栄養素が豊富に含まれています。たとえば食物繊維もしっかり摂りたいということであれば丸大豆のものを選ぶと良いでしょう。

発酵食品ですので、賞味期限内でも味わいが違うとおっしゃる方もおられます。

時間が経ったものの方が良いのか、できたてが良いのかはお好みで選んで良いと思います。

保存は冷蔵庫で。実は冷凍保存も可能です。解凍する際は冷蔵庫で自然解凍しましょう。

 

納豆の食べ方

大豆加工品ですので、主食にもなりえる食材です。もちろん副食としても取り入れやすいでしょう。

ナットウキナーゼは酵素ですので、熱に弱いという性質があります。効果的に取り入れたい場合には、加熱しない食べ方を工夫しましょう。

納豆からあまり摂取が期待できないビタミンCを補うためには、たっぷりの薬味を合わせると良いでしょう。

 

納豆・まとめ

管理栄養士のチカさん

納豆は特に東西で好みがわかれる食材ですね。やはり納豆の消費量にも東西で差が出るようです。

その相関は骨折の発生頻度にも現れているという調査結果が出されることもあります。

納豆を食べる習慣がある方は比較的頻度高く召し上がることが多いので、健康への影響も大きいと言えるでしょう。

お好きでない方に無理に勧めるものではありませんが、血中脂質バランスを整えるうえでも、納豆習慣は良い結果をもたらしてくれるでしょう。

 

 

この記事を書いた人

管理栄養士のチカさん
管理栄養士のチカさん
1999年に管理栄養士の資格を習得。
現在フリーの管理栄養士として、食関連資格教材作成、専門学校講師、栄養講話講師などの仕事をしています。
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