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梅の未熟な果実には毒性があるので生食することができませんが、出回り期には梅干や梅酒など、いわゆる「梅仕事」をなさる方も多い、人気の果実です。

日本には6世紀ごろに中国から伝わってきたと言われていますから、古いお付き合い。花を観賞用として楽しむだけでなく、長く食用としても江戸時代ごろから利用されてきました。

管理栄養士のチカさん

梅の人気の秘密を、見てみたいと思います。

梅の種類

10グラム以下の小梅、10~25グラムの中梅、25グラム以上の大梅と、大きさ違いで品種があります。

大型で日焼けした果皮は赤くなるのが「南高梅」。梅の高級品種です。果肉が厚く、梅干に向いています。梅の品種のなかでも、圧倒的な栽培面積を誇ります。

関東での栽培が多いのが「白加賀」。果肉が緻密で、梅酒や梅干に利用されます。

カリカリ梅に加工されることが多いのが「紅王」。

小ぶりで日に当たると赤く色づきます。その他、主要産地の和歌山をはじめ、梅酒や梅干、シロップなどの加工に適したさまざまな品種があります。

 

梅の栄養

未熟な青梅にはアミグダリンという青酸配糖体が含まれるため生食はできませんが、梅干や梅酒に加工していく間に消えますから、もちろん心配はいりません。

酸味はクエン酸やリンゴ酸といった有機酸によるもの。栄養素ではカリウムなどを含んでいます。

エネルギー 28キロカロリー
水溶性食物繊維 0.9グラム
不溶性食物繊維 1.6グラム
カリウム 240ミリグラム
ビタミンB1 0.03ミリグラム
ビタミンB2 0.05ミリグラム
葉酸 8マイクログラム
ビタミンC 6ミリグラム

※すべて うめ 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

梅の健康効果

梅の健康効果を語るうえで外すことができないのが、クエン酸です。梅や柑橘類に含まれる有機酸で、酸味やうま味を感じさせてくれます。

クエン酸は疲労回復や肩こり・筋肉痛の防止、神経疲労の予防などに役立つ成分。

私たちの身体はブドウ糖を燃焼させてエネルギーを得ますが、中には完全に燃焼されずにもえかすとなってしまうブドウ糖もあります。

クエン酸にはこれを分解する作用があるため、体内での蓄積を妨げ疲労回復につながるのです。

酸味で食欲を刺激してくれることから、夏バテの時期には食欲増進作用もうれしい効果です。有機酸はクエン酸以外にも、リンゴ酸も含んでいます。

昔から食中毒の予防にお弁当にいれられてきた、梅干し。梅干には黄色ブドウ球菌や腸管出血性大腸菌O157の増殖を制菌する作用があると期待されています。

初夏の頃青梅が出回り、梅仕事をするとちょうど暑さの盛りの頃には梅の加工品が出来上がり、夏場の疲れた身体を癒してくれたり、暑い季節に気をつけたい細菌性食中毒の予防に役立ってくれたりするとは、まさに理にかなっていますね。

 

梅の選び方

果皮にハリがあり、表面に傷のないものを選びましょう。梅酒に使う場合には青くてかたいものが向いています。

一方梅干や甘露煮、ジャムといった加工を行う場合には、黄色みを帯びたものが向いています。

生の状態では日持ちはあまりよくありません。すぐに加工しましょう。

冷蔵庫に入れると黄色くなるのを抑えることはできますが褐変を起こしやすいので、紙袋などに入れて冷暗所で保管すると良いでしょう。

 

梅の食べ方

梅干が疲労回復や食欲増進に働くと言っても、やはり塩分が強いので食べ過ぎには注意が必要。

ただし、しっかりとした味わいと有機酸のうま味がありますので、薄味に調理したお料理に梅干を足す方法でしたら、かえって減塩できる場合もあります。

そのまま食べるだけでなく、調味料として使う方法を工夫すると良いでしょう。

梅酒のように漬け込む際にもアルコールを使用せずシロップ漬けにすればお子さんの夏バテ防止ドリンクを作ることもできます。

加工前には水に漬けて、しっかりアク抜くするのをお忘れなく。

 

梅・まとめ

管理栄養士のチカさん

生食できない果実でありながら、季節が来ると売り場に盛大に並ぶ梅は、少し変わった存在ですよね。

梅仕事は手間がかかりますが、毎年なさる方も少なくありません。

やはり暑い季節を乗り切る前に、それぞれのお宅の好みに合わせた梅干や梅酒を作っておきたいのではないでしょうか。

クエン酸の疲労回復効果や食欲増進効果で、暑い季節を乗り切りましょう。

 

この記事を書いた人

管理栄養士のチカさん
管理栄養士のチカさん
1999年に管理栄養士の資格を習得。
現在フリーの管理栄養士として、食関連資格教材作成、専門学校講師、栄養講話講師などの仕事をしています。
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