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かりんは、古くから漢方や薬膳の世界では珍重されてきた果実です。私たちの日常でも、のど飴などに使われているのをご存じではないでしょうか。

なんとなく身体に優しそうといったイメージを想像することもできます。

でも、果実として食べる機会はなく、あまり身近な存在とは言い難いのではないでしょうか。

管理栄養士のチカさん

今回はかりんってどんなものなの?というところから、ご紹介していきたいと思います。

かりん(花梨)とは

かりんは中国原産の果実で、古くから薬用としても親しまれてきました。

熟したかりんの生果は、独特な強い香りを放ちます。パパイヤに似た形をした楕円形で、緑色の実が黄色くなってくると熟しているサインです。

果実を食べる習慣がないのは実がかたくて渋味があるため、生食に適していないからです。

 

かりん(花梨)の栄養

かりんは加工して楽しまれる果実ですが、ジャムもその楽しみ方の一つ。ジャムづくりに欠かせない、水溶性食物繊維であるペクチンを含有しています。

カリウムやビタミンCなど、溶出しやすい栄養素が多いので、加工して溶出した汁ごと食べるような方法は、かりんの栄養摂取には適していると言えるでしょう。

渋味を持っているのは、タンニンを含むため。強い芳香はトリテルペン化合物によるものです。有機酸では、クエン酸やリンゴ酸を含んでいます。

アミグダリンを含んでいる点は注意が必要。でも、加工して食べるかりんでは、このアミグダリンの働きがポイントとなります。

エネルギー 68キロカロリー
水溶性食物繊維 0.9グラム
不溶性食物繊維 8.0グラム
カリウム 270ミリグラム
β-クリプトキサンチン 200マイクログラム
葉酸 12マイクログラム
ビタミンC 25ミリグラム

※かりん 生 100グラム当たりの値。
※参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

かりん(花梨)の健康効果

かりんというと、真っ先に思い浮かぶ健康効果は咳止めや風邪予防といった寒くなる季節にはケアが必要となる事柄ではないでしょうか。

のど飴に使われているのも、単に香りが良いからではなく、効能が期待されてのことです。

かりんにはアミグダリンが含まれています。アミグダリンというのは、青酸配合体で、そのまま摂取すると私たちの身体でも毒性を持ちます。

しかし果実が熟したり、加工したり、加熱したりすることで次第にアミグダリンは分解されて、ベンズアルデヒドという成分に変化します。

ベンズアルデヒドには免疫力を高める効果や、がん細胞の成長を抑制する作用があるのです。

そのためかりんは、古くから漢方や薬膳の世界で咳止めや喘息対策に使われてきました。

またカリウムを含むことから利尿作用も認められ、むくみの改善などの効果でも利用されてきたのです。

発がん抑制ではβ-クリプトキサンチンを含有している点も、やはり効果が期待されます。

β-クリプトキサンチンはコレステロールの酸化を抑えて、動脈硬化予防にも働きかけてくれると考えられます。

ポリフェノールではタンニンも含んでいるので、LDL-コレステロールを減少させたり、高血圧を予防したりすることで、動脈硬化になりにくくしてくれると期待できます。

抗酸化作用で考えれば、ビタミンCも含有しています。コラーゲンの生成に欠かせないビタミンCは、丈夫な細胞維持に役立ちます。

細胞が弱っていると免疫力も低下し、ウイルスや細菌の侵入を許してしまいますから、風邪の季節にはしっかり摂って予防に努めたいですね。

 

かりん(花梨)の選び方

かりんは買い求めるだけでなく、庭の木に成ったようなものを使うこともあるのではないかと思います。

しっかり黄色に色づき、香りが出てきたら完熟のサインです。皮に緑色が残る場合には、追熟させる必要があります。

良いものでは、重量感がしっかりあって、皮に油分が出てきてさわると少しぬるっとした感触があります。

熟してしまうと日持ちはあまり良くないので、早めに加工するようにしましょう。

 

かりん(花梨)の食べ方

かりんは果実がかたくて渋味を持っているうえ、アミグダリンを含んでいますから、加工して食べることが前提となります。

加工方法は意外にも豊富で、ペクチンを含有している点を活かしてジャムにしたり、ゼリーにしたりして楽しむことができます。

砂糖漬けやはちみつ漬けといった加工方法もメジャーで、漬けておいたものを水やお湯で割って、喉の調子が優れないときに飲むと良いでしょう。

古くから民間療法でされてきた方法ですが、実際に理にかなっていますよね。

アミグダリンは種の周りに多いので、種も不織布のネットにひとまとめにして、一緒に漬け込んでも良いでしょう。

ホワイトリカーと氷砂糖で漬け込めば、かりん酒にもなります。

 

かりん(花梨)・まとめ

管理栄養士のチカさん

生食に適さないことで見向きもされないことも多いかりんですが、古くから薬用とされてきただけあり、健康効果はいろいろと期待できます。

かりんの旬は10月~11月ごろと、まさに風邪の季節の到来を控えたころ。

予防にもひきはじめにも、漬けておいたかりんで早めに対処して、免疫力の向上に役立てたいですね。

 

この記事を書いた人

管理栄養士のチカさん
管理栄養士のチカさん
1999年に管理栄養士の資格を習得。
現在フリーの管理栄養士として、食関連資格教材作成、専門学校講師、栄養講話講師などの仕事をしています。
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