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LDLコレステロール値を下げる食生活改善のポイント

管理栄養士のチカさん

LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれています。いかにも身体に悪そうな呼ばれ方ですが、LDLコレステロールは数値が高過ぎることが問題になります。ではLDLコレステロール値はどうやったら下げることができるのでしょうか?

食べ過ぎをやめて、食事の量・カロリー量を適正にする

コレステロール値を気にする方はまず「エネルギー過剰」に注意が必要です。私たちの身体に存在するコレステロールは食事から摂取したものばかりではなく、体内で合成されたものもあるのです。ですから体内でのコレステロール合成を抑えることが効果的。そのためには全体のカロリー量を意識して、食べ過ぎには気をつけましょう。

食べ過ぎがいけないことは周知の事実。しかしLDLコレステロール値の高い方は、すでに食べ過ぎ気味の方が多いかもしれません。食べ過ぎは、単に目が欲しがってしまう場合もありますので、あらかじめ盛り付ける量を少なめにして、ゆっくりよく噛んで満腹中枢を刺激するだけでもグッと効果があります。外食が多めの方の場合には、そもそもメニューの頼み過ぎということもあるかもしれません。少しずつ頼んで、ゆっくり食べ進めても、どうしても足りないようであれば追加注文をする、といったわずかな意識で食べ過ぎを抑えることができます。

また、食べる順序を考えるのもオススメの方法です。先にサラダのような野菜やきのこ、海藻類の多く使われたメニューから食べ始め、そのあとに汁物を飲みます。メインの料理やごはんものを食べるのはその後にします。空腹のまま勢いよく食べ始めるのと違って、じっくりおいしく味わいながら食べることができるので、食べ過ぎをストップできます。

運動不足もコレステロール値に悪影響であるとされていますので、運動も取り入れるとより良いでしょう。

コレステロールの多い食品の摂取量を減らす

いくら体内で合成されるコレステロール量が多いと言っても、やはり食事からの摂り過ぎは禁物です。食事からコレステロールを摂り過ぎてしまうと、LDLコレステロールが増加しやすいことが知られています。

コレステロールの多い食品には、卵・レバー・タコやイカ・たらこや筋子といった魚卵類などが挙げられます。

ただし、卵の卵黄にはコレステロールが多い一方でレシチンという血中コレステロール値を下げてくれる働きの期待される成分も含まれています。タコやイカに含まれているタウリンにも同様の期待が寄せられています。ですから、このあたりの食品は「ぜったい食べない」というのではなく、「過剰な摂取はしない」というくらいの気持ちで十分でしょう。

油脂の質を考える

私たちが日ごろ口にする油にはいろいろな種類があります。調理に使う油やバターだけでなく、肉や魚、ナッツ類にも油は含まれています。その油を形成している「脂肪酸」の種類によって、コレステロールへの働きかけ方は異なります。

LDLコレステロール量を増やしてしまうと心配されるのが、バターや肉類のような動物性の脂に多く含まれる「飽和脂肪酸」という脂肪酸です。一方、植物油や魚に含まれる油に多く含まれる「不飽和脂肪酸」にはコレステロール量を低下させてくれる働きが期待できるものもあります。特に嬉しいのは魚に多く含まれる、EPAやDHAといった「n-3系多価不飽和脂肪酸」。LDLコレステロールや中性脂肪は減らしてくれるのに、HDLコレステロールを増やしてくれるとされています。

いずれにしても油は高カロリー。摂り過ぎて良いものではありませんが、何から摂るかも重要なのです。

食物繊維をたっぷりと摂る

食物繊維を摂るのもオススメしたい方法の1つです。食物繊維というと、便秘解消の時くらいしか頭に浮かばないかもしれませんが、腸のおそうじ以外にもコレステロールにも嬉しい効果が。特に水に溶けやすい性質のある「水溶性食物繊維」はコレステロールの吸収をさまたげて、外に出しやすくしてくれます。水溶性食物繊維は果物や海藻、こんにゃくなどに多く含まれています。

食物繊維の摂取目標量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では男性で20g以上、女性で18g以上(どちらも18~69歳の目安)です。これは水溶性食物繊維だけでなく、水に溶けにくい性質を持つ「不溶性食物繊維」も合わせた値です。計算しながら食べることはなかなかありませんので、食物繊維を多く含む野菜・果物・海藻類・こんにゃくといった食品をまんべんなく食べるように心がけると良いでしょう。

栄養バランスのよい食事をとる

これらのことをふまえて、栄養バランスを考えた食生活を送りたいものです。

ポイントは、

主菜はお肉ばかりではなく、お魚も食べる

LDLコレステロールを増やしてしまう動物性の脂。同じ動物性食品でも魚は違うのです。

食物繊維の多い、野菜・果物・海藻類・きのこなどを副菜でしっかり摂る

野菜は1日350gを目安に食べましょうと言われています。ほとんどの方が足りていないのが現状。ですから食物繊維も、不足しがち。余分なものをしっかり外に出してこそ、栄養バランスの取れた食事が生きるのです。

食べ過ぎは禁物

食べ過ぎてエネルギー過剰になれば、食事内容に気をつけても身体はコレステロールを合成してしまいます。アルコールに関しても過剰は禁物。多量のアルコール摂取はLDLコレステロールを上昇させてしまいます。

LDLコレステロール値を下げる食生活改善のまとめ

管理栄養士のチカさん

バランスの良い食事を摂りなさいと子どもの頃から言われてきても、栄養バランスっていろいろあって難しいものです。成長期の子どもの頃とは違って、血液検査の結果も気になる年頃になれば、自然とその年齢に見合ったバランスが大切になってきます。

LDLコレステロールは、血中濃度が高いからと言って自覚症状はありません。それなのに食事に気をつけたり、運動をしたり、お酒を控えたり、これまでの生活習慣を変えるのには少し動機づけが足りないかもしれません。けれどLDLコレステロール値が高い状態が続けば、自覚症状のないままに血管にプラーク(沈殿物)が溜まり、動脈硬化の進行はさまざまな生活習慣病を連れてきます。生活習慣病は、まさに生活習慣の積み重ね。自覚症状が出て後悔してからでは遅いのです。

ほんのちょっと野菜をいつもより多く食べてみる、お肉をお魚に変えてみる…そんな小さな変化で数年後、数十年後の自分に、感謝される生活習慣を身につけてみませんか?

LDLコレステロール値を下げるのに効果的な食品・食材

管理栄養士のチカさん

LDLコレステロール値が高いという検査結果を受け取ったら、これを機に日々の食生活に気を配る良い習慣を身につけたいところ。

コレステロールを多く含む食品ばかりでなく、どのような食品がLDLコレステロール値を下げるのに役立つのかも知っておきましょう。

野菜

食物繊維にはLDLコレステロールの吸収を抑える効果が期待できます。食物繊維を豊富に含む食品と言えば野菜です。

野菜はエネルギーが少なくビタミン類・ミネラル類・食物繊維を豊富に含むことから、厚生労働省は「健康日本21(第二次)」の中でも、1日350グラムの野菜を摂取することを推奨しています。

野菜の中でもタマネギをはじめとするネギ属の野菜に含まれる「含硫有機化合物」はコレステロール低下に有効であるとの報告が多く見られています。タマネギだけでなく、同じネギ属のネギやニラ、ラッキョウ、ニンニクなども良いでしょう。

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食物繊維の摂取に期待して野菜を食べるのであれば、「水溶性食物繊維」の多いものを意識しましょう。

食物繊維には水に溶けにくい性質を持つ「不溶性食物繊維」と、水に溶けやすい性質の「水溶性食物繊維」があり、どちらも身体のお掃除役として優秀ですが、コレステロールの吸収抑制という点で見ると、水溶性食物繊維に軍配が上がります。

たとえばゴボウ。ゴボウというと筋が多いので、不溶性食物繊維のイメージが強いかもしれませんが、不溶性食物繊維はもちろんのこと、水溶性食物繊維も2.3グラム(100グラムあたり)含んでいて、食物繊維全体として5.7グラムも含む心強い食品です。

そのほかにもオクラのネバネバした成分は水溶性食物繊維です。1.4グラム(100グラムあたり)の水溶性食物繊維を含んでいます。

また緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは抗酸化物質として有名。LDLコレステロールが体内で酸化するのを防いでくれる働きも期待できます。

緑黄色野菜には色の濃い、ニンジン・ホウレンソウ・カボチャなどがありますが、100グラムあたりのβ-カロテン含有量はこれらから少し劣るものの、一度にたくさん食べることのできるトマトもおすすめ。

トマトにはβ-カロテン以外に色素成分であるリコピンが含まれていて、このリコピンもまた、抗酸化作用が期待できる成分です。

 

果物

水溶性食物繊維を多く含む食品として、果物はよく挙げられます。ただし果物には果糖が多く含まれますので、エネルギーの高いものも中にはあります。

果糖は中性脂肪を溜めやすいとされていますので、食べる目安は1日200グラム(皮や種を除いた量)にしましょう。果物は毎日食べる習慣のない方も多いようですが、ビタミン類や抗酸化物質も多いので、意識して食べてみましょう。

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日頃から入手しやすく水溶性食物繊維を多く含む果物には、キウイフルーツやリンゴがあります。

キウイフルーツ(緑色種)は0.7グラム、リンゴは0.5グラム(いずれも100グラムあたり)の水溶性食物繊維を含んでいます。100グラムといったらキウイフルーツなら1個、リンゴであれば半分程度で簡単に食べることができます。

 

海藻

699ca5c16bfd37bd2996d86faf459881_sヒジキ・ワカメ・モズクなどの海藻類は、水溶性食物繊維の多い食品です。

モズクのようにネバネバとしているものはわかりやすいのですが、ネバネバしている部分が水溶性食物繊維です。海藻類はたたいて調理をするとネバネバ成分が出てくるものが多くありますので、水溶性食物繊維が豊富というのもうなずけます。

海藻類の良いところは水溶性食物繊維が多いというだけでなく、エネルギーが少ない点。エネルギーの過剰は体内のコレステロール合成を促進してしまいますので、たくさん食べても食べ過ぎる心配のない海藻類は優秀な食材です。

また乾物なども豊富なので天候に左右されづらく価格変動も少ない点もあり、お財布にも嬉しい食品なのです。

 

青魚

さんまやサバといった青背の魚には、EPAやDHAといった脂肪酸が多く含まれています。油脂はいずれも高エネルギーであることには変わりありませんが、それを構成している脂肪酸の種類によって性質が異なります。

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EPAやDHAといった脂肪酸は「n-3系多価不飽和脂肪酸」と言われる種類の脂肪酸です。これらの脂肪酸には血液中のLDLコレステロールを減らしてくれる働きが知られています。

また血液中の余分なコレステロールを回収してくれるHDLコレステロールを増やしてくれる働きも期待できるのです。

ただしこれらの脂肪酸には「酸化されやすい」という弱点がありますので、長時間火にかけるなどの調理には向いていません。

上手な摂取のコツはお刺身などで新鮮なものを召し上がるといったことの他に、野菜などのように抗酸化物質を多く含む食品と合わせて食べる方法があります。

 

大豆製品

コレステロールのコントロールは食事だけを気をつけていても難しいものです。なかには気をつけていてもコレステロール値が高くなりやすい体質の方も。そういった点で悩ましいのが閉経前後の女性です。

女性ホルモンであるエストロゲンは、コレステロールのコントロールにも役立っていますが閉経が近くなってエストロゲンの分泌が減少してくると、これまでには問題がなかった方でも全般的にコレステロール値が高くなりがちです。

FY158_L豆腐や納豆などの大豆製品に含まれているイソフラボンという成分は、体内でエストロゲンに似た働きをしてくれることから、「ホルモン様物質」などと呼ばれています。

ただしエストロゲンは摂取過剰の害も知られていますので、サプリメントなどからではなく大豆や大豆製品から摂取したいものです。

通常の食事で召し上がる程度の摂取量では摂り過ぎの害は心配ないとされています。

 

LDLコレステロール値を下げるのに効果的な食品・食材 まとめ

管理栄養士のチカさん

コレステロール値を気にすると、コレステロールを多く含む食品ばかりに気を配りがちですが、コレステロール値を下げてくれる食品も知っておけば食べることのできる食品の幅はぐっと広がります。

食事に気をつけるのは良いことですが、楽しく食べることができなければ長続きせず、我慢はかえって反動でバカ食いを誘ってしまいます。

これまであまり関心がなかったり、食べる習慣がなかったりするものにも目を向けて、食事を楽しみながら血液検査データの改善をはかっていきましょう。

注:本文中の食物繊維量の算出には
「日本食品標準成分表2015(七訂)」を使用しています。

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