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カロリーという言葉について、「カロリーが高い」「カロリーを摂った」というような使い方をすることがありますが、そもそもカロリーとかエネルギーという言葉は何を指しているのでしょうか。
エネルギーというのは、仕事をなし得る能力のことを言います。食品に含まれているエネルギーの場合は、その食品を食べることによってエネルギーを得て、それを私たちは身体で生命維持や運動などに利用するので、「エネルギーを持っている」と表現します。食品に含まれている栄養素のうち、エネルギーを発する栄養素である炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質が体内で酸化燃焼して熱を生じるので、これがエネルギーとなって利用されているのです。エネルギーは摂取するだけでなく、使用する場合にもどのくらいの仕事をなし得るかという観点で考えますから、「消費エネルギー」という表現も使われます。
エネルギーを表す単位には、「カロリー」と「ジュール」があります。1カロリーとは水1グラムを14.5℃から15.5℃に1℃上げるのに使われる熱量を指しますが、食品の場合は「キロカロリー」で表すことが多いので、水1000グラムを1℃上げる熱量で考えているということになります。
熱量を表す単位には「ジュール」もあって、国際的にはこちらが使われることが多いでしょう。輸入食品などではエネルギー量を「キロジュール」で示しているものをよく目にすると思います。日本では「キロカロリー」が一般的ですが、両者の単位には「1キロカロリー = 4.184キロジュール」という関係があるので、換算することも可能ですし、考え方は同じです。
ちなみに「カロリー」はエネルギーの単位ですので、「カロリーを摂った」という表現は実はおかしいのです。私たちは体重をはかるとき「キログラムをはかる」とは言わないはずです。それと同じように考えれば、「エネルギーを摂った」と言うのが正しい表現であるとわかりますね。これは日本語の使い方を細かく指摘したくて言っているのではなく、結局のところ「カロリーってなに?」「エネルギーってなに?」という混乱をきたすのも、このような使用の仕方の誤りによるところも大きいのではないかと思われます。
さて、炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質はそれぞれ燃焼エネルギーを生じます。これは「空気中で燃やしてみた場合と体内でも同等のエネルギーを生じる」と考えて良いのでしょうか?私たちの体内では、酸化することによってエネルギーが発生します。このとき、炭水化物と脂質は燃焼する原理が実験的に測定した場合と同じなのですが、たんぱく質の場合は窒素を含んでいるという特徴によって、体内での酸化最終産物が実験的な測定とは異なります。ですから実際にはその分を差し引いて考える必要があることがわかっています。
さらに「食品が持つエネルギーとは、燃やしたときに発生するエネルギーと同等なのか」という疑問もあります。実際には、食品中の栄養素の消化吸収率が100パーセントではありませんので、その分を考慮して考える必要があります。したがって、「食品が持つエネルギー = 体内で発生するエネルギー」とはなりません。
私たちがそれぞれの食品の持つエネルギーを知る手段は、主に「日本食品標準成分表」になります。食品成分表に掲載されているエネルギー値を求める場合には、消化吸収率を考慮した値を用いて算出されています。また「炭水化物(糖質)とたんぱく質は1グラムあたり約4キロカロリー、脂質は1グラムあたり約9キロカロリーのエネルギーを持つ」という「アトウォーターの係数」は、消化吸収率を考慮したのちの数字です。ですから私たちが日頃、食べ過ぎを気にしたり、エネルギーコントロールに活用したりするうえでは、食品成分表に記載されている数値を活用すれば良いのです。

この記事を書いた人

管理栄養士のチカさん
管理栄養士のチカさん
1999年に管理栄養士の資格を習得。
現在フリーの管理栄養士として、食関連資格教材作成、専門学校講師、栄養講話講師などの仕事をしています。
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