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「お茶」と呼ばれるものには種類がいろいろとありますが、緑茶も紅茶もウーロン茶も、もとをただせば同じ茶葉であることをご存じでしょうか。

同じ茶葉をどう処理するかによって、完全に発酵させると「紅茶」、半分発酵させると「ウーロン茶」、発酵させないと「緑茶」となります。

管理栄養士のチカさん

味わいの魅力もさることながら、茶葉を発酵させないことによる効果もあります。奥の深いお茶の世界、少し覗いてみましょう。

緑茶の種類

お茶の世界が少し難しいのは、種類が豊富でお値段もバラバラだからではないでしょうか。代表的なものを少し整理してみましょう。

大きく分けると、茶畑に覆いをかけながら育てられたまろやかさがウリの種類に、抹茶や玉露があります。少し高級イメージのあるお茶です。

一方、覆いをかけずに太陽を浴びて育った、さっぱり感が持ち味の種類に煎茶や番茶があります。普段使いできるお茶です。

これらを若い芽ばかり集めると「芽茶」、茎ばかり集めると「茎茶」、粉ばかり集めると「粉茶」となります。

芽茶だと味が濃くうま味たっぷり、茎茶は「棒茶」などとも呼ばれて、さわやかさと甘味を持ちます。粉茶は色も味も濃く出やすいといった特徴があります。

 

緑茶の栄養

茶葉を発酵させないため、ビタミン類が残りやすい緑茶。茶葉をそのまま食べる機会は少ないですが、抹茶を料理などにも取り入れると茶葉を食べることもできます。

抽出された液からは水溶性のビタミン類、ミネラルが摂れますし、そのほかにも渋味成分のカテキン、カフェイン、アミノ酸の一種であるL-テアニンも摂取できます。

また、水分摂取という点にも着目したいところ。私たちの身体の約60%は水分です。水分摂取は季節を問わず、身体にはとても大切。でもついついそこに甘みやエネルギーがついてくるようなものでは向いているとはいえません。水分摂取は水やお茶からしましょう。

玉露 煎茶 番茶
エネルギー 5キロカロリー 2キロカロリー 0キロカロリー
カリウム 340ミリグラム 27ミリグラム 32ミリグラム
ビタミンB2 0.11ミリグラム 0.05ミリグラム 0.02ミリグラム
葉酸 150マイクログラム 16マイクログラム 7マイクログラム
ビタミンC 19ミリグラム 6ミリグラム 3ミリグラム

※ すべて抽出液100グラムあたりの値。

 

抹茶(粉末)
エネルギー 16キロカロリー
水溶性食物繊維 0.3グラム
不溶性食物繊維 1.6グラム
カリウム 135ミリグラム
カルシウム 21ミリグラム
β-カロテン当量 1450マイクログラム
α-トコフェロール(ビタミンE) 1.4ミリグラム
ビタミンK 145マイクログラム
ビタミンB1 0.03ミリグラム
ビタミンB2 0.07ミリグラム
ビタミンB6 0.05ミリグラム
葉酸 60マイクログラム
ビタミンC 3ミリグラム

※ 5グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

緑茶の健康効果

緑茶の渋味成分であるカテキンは、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用を持っています。

その効果は、食用油などに品質保持剤として用いられるほど。もちろん体内でも効果を発揮してくれます。細胞膜を酸化から守ってくれる働きで、がんの予防になると考えられます。

またカテキンには血中脂質の状態を整えてくれる効果も知られています。胆汁酸の分泌が増えることで脂質の消化を助けてくれるのではないかと考えらえています。

その他、血糖値上昇の抑制、血圧降下作用といった生活習慣病予防全般に期待のできる成分です。

カフェインは摂り過ぎると興奮状態となり良くありませんが、ある程度の摂取は利尿作用や肥満抑制効果が期待できます。

また同じく緑茶に含まれているテアニンは、カフェインの覚醒作用と相反する精神安定作用もありますので、カフェイン摂取量をさほど気にせず飲むことができます。

 

緑茶の選び方

いろいろな種類、価格のランクがありますので、どれが良いということではなく、違いを知って目的に合わせて選べるようになると素敵ですね。

茶葉は乾燥しているのでいつまでも保管できるように思いがちですが、香りを逃さずおいしく召し上がるには、開封後はあまり時間をあけずに楽しむのがよいでしょう。

また梅雨時期のように湿度の高い時期にはカビがはえたり、変質したりすることもありますので、きちんと茶筒のような容器に入れて保管すると良いでしょう。

 

緑茶の楽しみ方

葉の種類がわかったら、淹れ方にも気を配ると、よりおいしく召し上がれます。

玉露は高級なお茶ではありますが、ちょっと多いかなと思うくらいの茶葉を60℃くらいのお湯でじっくり抽出しましょう。最後の一滴までしっかり注ぎきってから二煎目を楽しむと良いとされています。

煎茶もたっぷりの茶葉を、玉露よりはやや熱めの70℃程度のお湯で抽出していきます。急須をゆすらずにじっくりうま味が出てくるのを待ってお茶碗に注ぎましょう。

カテキンは80℃以上の高温で、うま味成分のアミノ酸は50℃くらいで溶け出しやすいといわれています。お水は日本の水道水同様、硬度の低い「軟水」が向いています。

夏は冷茶で楽しむのも、また違った味わいです。じっくりと抽出するのですっきりとした味わいのなかにもしっかりとうま味が感じられます。

 

緑茶・まとめ

管理栄養士のチカさん

最近ではペットボトルのお茶も種類豊富で、味の工夫もあって手軽にお茶を楽しむ一つではありますが、ときには丁寧に茶葉からお茶を抽出してみてはいかがでしょうか。

新入社員に「お茶を淹れて」と頼むと、茶葉はどのくらい使ったらよいのかわからなかったり、筒からフタに取らずに直接急須に茶葉を注いでしまったり、せっかくの日本のお茶文化の未来が不安になる有り様です。

小学校の家庭科の時間には、調理実習の1時間目にお茶の淹れ方を勉強することもあるとか。

身体にも良く、心も落ち着かせてくれるお茶ですから、できればこれからも丁寧に楽しんでいきたいですね。
 

この記事を書いた人

管理栄養士のチカさん
管理栄養士のチカさん
1999年に管理栄養士の資格を習得。
現在フリーの管理栄養士として、食関連資格教材作成、専門学校講師、栄養講話講師などの仕事をしています。
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